集結! 横浜五覇岡大会 ~その1 嵐の前ぶれ~ [森鵰俠侶]
ただいま京都に帰りました。新撰組副長助勤たくいたです。
暑い中、みなさま、横浜・中華街まで集まって下さり、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
結婚することになったお二人、おめでとうございます。末永く、お幸せに。
そして、岡崎先生、お忙しい中お越しいただいて、本当にありがとうございました。これに懲りず、また是非、来年もいらして下さい。
挨拶はこれぐらいで、話は五覇岡集会から一週間前にさかのぼる。
深夜。仕事を終えたたくいたは、師匠どぅいちゃんからのメールに気付き、慌てて携帯を見る。
「任務を申し渡す。唐伯虎ゲームにやるのに赤い布10枚と『喜喜』の額を持ってきて下さい」という内容のメールだった。
実は、今回、三田さんと、ゆうり女王の弟子奉孝さんが結婚することになったんですが、新婦の奉孝さんが、「秘密にしてください」ということで、奉孝さんが教えてくれた何人かに、この不肖たくいたが入っていたため、この指令が来たのだった。ま、実際は、江湖で知らない人はいないんじゃね? くらいにバレにバレていて、これやったら、公にしたほうが、御祝いに駆けつけたい人も来てくれはるんじゃね? とも思うんですが。
唐伯虎ゲームとは、チャウ・シンチー主演の映画『詩人の大冒険』の1シーンで、新婦を含めた十人くらいの女性が赤い布を被り、新郎が新婦を当てて嫁取りをする、というものを真似たゲームのことである。
妻のことを本当に愛していれば、ほとんど外すことはない単純なゲームである。そんな、愛の深さを試すゲームである。これで愛する新婦を外すようなヤツは、正直、アホです。クソです。
ちなみに、たくいたの結果は、ここです。
たくいたも忘れてしまいたい忌々しい過去だったのに、思い出しちゃったゼィ! くっそ!
これは、何枚か家で見たことあるから、クリアできそうである。問題は、『喜喜』の額である。
この額は、しうぐーの師匠である、ゆうり女王が長い時間をかけて作って下さった切り絵の額である。
(この額、女王から御祝で頂いた額なのに、持って行くっていうのもな~。どぅいちゃんは、本当にこの額のつもりでメールしてはんのかな~!?)
ということで、確認のメールをすると、翌日、この額のことだということが判明。
そして、布も、家には元々二枚しかないらしく、どこかで調達しなければならないことが判明。
「たくいた、布、どうするの!? 私達、横浜に行くまで休みないよ。空いてる時間っていっても、明日の二時までしかないよ。この時に宇治でお土産も買おうと思ってたから、京都市内まで出る時間がないよ~(泣)」
京都でお土産を買えば簡単な話なんですが、年に一度の宇治の茶団子を楽しみに待つ英雄女侠がいるので、お土産は宇治と決まっているのです。
十分な準備ができないことに、少し泣きそうな顔をするしうぐー。
「多分、どぅいちゃん、赤い布10枚持ってるって思ってはんねん。とりあえず、ジャイに訊け! あいつは、京都で布の卸のところで働いてたんや。宇治のどこの店に行ったら置いてるか知ってるかもしれん。時間があったら、ノムラテーラー行ったら、確実あんねんけどな」
「で、あの額をどうするの? 本当に持っていくの?」
「それが一番、困ってるねん。俺も」
それが一番の悩みである。困難な状況を打開する策を考えるのが、”軍師”である。
「やっぱり、どぅいちゃんに断る?」
恐る恐る尋ねるしうぐー。
「断ったらカドが立つから、一番カド立たんと持って行かへんようにするんやったら、わざと忘れるんが一番やな」
ということで、わざと忘れる作戦を実行しようと思ったんですが、そんなとき、たくいたに名案が浮かぶ。
「否、その作戦はやめた! 師匠のどぅいちゃんは、あの二人のために、帽子をつくり、刺繍をして針子までやってはるねん! 弟子のたくいたも骨折らなどうすんねん!? せやし、俺が額を作るわ!」
たくいたの提案に驚くしうぐー。
「え!? 今から作るの?」
「そう、今から作るの。たしかに、ゆうり女王と違って、俺は不器用だ。あんなに上手には作れないし、不細工なものしか作れないだろう。でも、頑張るゼィ! せやし、布と赤い紙と額を用意せえ!」
「ははあ!」
近年、稀に見る尊敬の眼差しでたくいたを見つめるしうぐー。
というわけで、時間の無い中、しうぐーが用意したのは、妹が教えてくれた店で赤い布5枚・赤い画用紙・額である。
「赤い画用紙!」
「赤い画用紙しか無かってん。和紙とか薄い紙、全然置いてないねん」
実は、たくいたの家の近くのコーナンが店じまいセールをするため、文房具がほとんど無くなっていたのだった。
(おお! 紙よ~ 、否、神よ~)
天を仰ぐたくいた。
(画用紙はさすがに硬いだろう!? ただでも不器用やのに~! どうすんねん!? たくいた)
しかし、やるしかありません。その日は、仕事も上の空で図案を考えるたくいた。
「やっぱり結婚っていえば、鴛鴦やろう!」ということで、 パソコンで鴛鴦の画像をひたすら眺める。鴛鴦を見て、徐に絵柄を下書きする。しかし、鴛鴦には見えない。
(おれの下書きじゃ、どうみても鴨だな。これじゃ)
しかし、なんか試行錯誤しながらやってると、小学校の図画工作の時間を思い出す。
(あんとき、なんか楽しかったな~。粘土細工で、テーマが『動く人』だったのに、全裸のオッサンを作って減点されたな~アハハ)
昔のことを懐かしみながら、家にある切れ味の悪いカッターで二枚に重ねた画用紙を切り刻む。紙が硬くて思うように切り取れない。完成が近づくにつれ、ひとつのミスでやり直しになりかねない恐怖。そして、できあがった達成感。
(決して、上手くはないけれど、初めて作ったにしては、なかなかの出来)
と、割と満足のたくいた。
早速、写メを撮って、どぅいちゃんに送信。
「ゆうり女王から頂いた額はさすがに持って行けないので、僕の作った額を持って行きます!」
これで準備は整った。
いざ! 横浜
暑い中、みなさま、横浜・中華街まで集まって下さり、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
結婚することになったお二人、おめでとうございます。末永く、お幸せに。
そして、岡崎先生、お忙しい中お越しいただいて、本当にありがとうございました。これに懲りず、また是非、来年もいらして下さい。
挨拶はこれぐらいで、話は五覇岡集会から一週間前にさかのぼる。
深夜。仕事を終えたたくいたは、師匠どぅいちゃんからのメールに気付き、慌てて携帯を見る。
「任務を申し渡す。唐伯虎ゲームにやるのに赤い布10枚と『喜喜』の額を持ってきて下さい」という内容のメールだった。
実は、今回、三田さんと、ゆうり女王の弟子奉孝さんが結婚することになったんですが、新婦の奉孝さんが、「秘密にしてください」ということで、奉孝さんが教えてくれた何人かに、この不肖たくいたが入っていたため、この指令が来たのだった。ま、実際は、江湖で知らない人はいないんじゃね? くらいにバレにバレていて、これやったら、公にしたほうが、御祝いに駆けつけたい人も来てくれはるんじゃね? とも思うんですが。
唐伯虎ゲームとは、チャウ・シンチー主演の映画『詩人の大冒険』の1シーンで、新婦を含めた十人くらいの女性が赤い布を被り、新郎が新婦を当てて嫁取りをする、というものを真似たゲームのことである。
妻のことを本当に愛していれば、ほとんど外すことはない単純なゲームである。そんな、愛の深さを試すゲームである。これで愛する新婦を外すようなヤツは、正直、アホです。クソです。
ちなみに、たくいたの結果は、ここです。
たくいたも忘れてしまいたい忌々しい過去だったのに、思い出しちゃったゼィ! くっそ!
これは、何枚か家で見たことあるから、クリアできそうである。問題は、『喜喜』の額である。
この額は、しうぐーの師匠である、ゆうり女王が長い時間をかけて作って下さった切り絵の額である。
(この額、女王から御祝で頂いた額なのに、持って行くっていうのもな~。どぅいちゃんは、本当にこの額のつもりでメールしてはんのかな~!?)
ということで、確認のメールをすると、翌日、この額のことだということが判明。
そして、布も、家には元々二枚しかないらしく、どこかで調達しなければならないことが判明。
「たくいた、布、どうするの!? 私達、横浜に行くまで休みないよ。空いてる時間っていっても、明日の二時までしかないよ。この時に宇治でお土産も買おうと思ってたから、京都市内まで出る時間がないよ~(泣)」
京都でお土産を買えば簡単な話なんですが、年に一度の宇治の茶団子を楽しみに待つ英雄女侠がいるので、お土産は宇治と決まっているのです。
十分な準備ができないことに、少し泣きそうな顔をするしうぐー。
「多分、どぅいちゃん、赤い布10枚持ってるって思ってはんねん。とりあえず、ジャイに訊け! あいつは、京都で布の卸のところで働いてたんや。宇治のどこの店に行ったら置いてるか知ってるかもしれん。時間があったら、ノムラテーラー行ったら、確実あんねんけどな」
「で、あの額をどうするの? 本当に持っていくの?」
「それが一番、困ってるねん。俺も」
それが一番の悩みである。困難な状況を打開する策を考えるのが、”軍師”である。
「やっぱり、どぅいちゃんに断る?」
恐る恐る尋ねるしうぐー。
「断ったらカドが立つから、一番カド立たんと持って行かへんようにするんやったら、わざと忘れるんが一番やな」
ということで、わざと忘れる作戦を実行しようと思ったんですが、そんなとき、たくいたに名案が浮かぶ。
「否、その作戦はやめた! 師匠のどぅいちゃんは、あの二人のために、帽子をつくり、刺繍をして針子までやってはるねん! 弟子のたくいたも骨折らなどうすんねん!? せやし、俺が額を作るわ!」
たくいたの提案に驚くしうぐー。
「え!? 今から作るの?」
「そう、今から作るの。たしかに、ゆうり女王と違って、俺は不器用だ。あんなに上手には作れないし、不細工なものしか作れないだろう。でも、頑張るゼィ! せやし、布と赤い紙と額を用意せえ!」
「ははあ!」
近年、稀に見る尊敬の眼差しでたくいたを見つめるしうぐー。
というわけで、時間の無い中、しうぐーが用意したのは、妹が教えてくれた店で赤い布5枚・赤い画用紙・額である。
「赤い画用紙!」
「赤い画用紙しか無かってん。和紙とか薄い紙、全然置いてないねん」
実は、たくいたの家の近くのコーナンが店じまいセールをするため、文房具がほとんど無くなっていたのだった。
(おお! 紙よ~ 、否、神よ~)
天を仰ぐたくいた。
(画用紙はさすがに硬いだろう!? ただでも不器用やのに~! どうすんねん!? たくいた)
しかし、やるしかありません。その日は、仕事も上の空で図案を考えるたくいた。
「やっぱり結婚っていえば、鴛鴦やろう!」ということで、 パソコンで鴛鴦の画像をひたすら眺める。鴛鴦を見て、徐に絵柄を下書きする。しかし、鴛鴦には見えない。
(おれの下書きじゃ、どうみても鴨だな。これじゃ)
しかし、なんか試行錯誤しながらやってると、小学校の図画工作の時間を思い出す。
(あんとき、なんか楽しかったな~。粘土細工で、テーマが『動く人』だったのに、全裸のオッサンを作って減点されたな~アハハ)
昔のことを懐かしみながら、家にある切れ味の悪いカッターで二枚に重ねた画用紙を切り刻む。紙が硬くて思うように切り取れない。完成が近づくにつれ、ひとつのミスでやり直しになりかねない恐怖。そして、できあがった達成感。
(決して、上手くはないけれど、初めて作ったにしては、なかなかの出来)
と、割と満足のたくいた。
早速、写メを撮って、どぅいちゃんに送信。
「ゆうり女王から頂いた額はさすがに持って行けないので、僕の作った額を持って行きます!」
これで準備は整った。
いざ! 横浜
あの額縁は、よう出来てたヤン!(拍手)
全然OKやで!ようやった!
っつうか布の調達も大変やったんやねぇ…。
ウチの近所もなんや欲しい物が品切れやったり
店の改装前とかで商品仕入れてなかったりで
前と違って難儀しました。
お互い何とか都合ついてよかったね!
by どぅいちゃん (2010-08-24 01:52)
御無沙汰してます~!
>江湖で知らない人はいないんじゃね? くらいにバレにバレていて
そうなんですね!ついにゴールインだったんですねw
確かにバレバレ…
>上手くはないけれど、初めて作ったにしては、なかなかの出来
いやいや、かなりの出来栄えですね!
お疲れ様です~!
by 阿吉 (2010-08-24 17:06)
>どぅいちゃん
京都市内まででれば「ノムラテーラー」という有名なお店があるんですが、宇治にあった二件のうち、一件はなくなってしまって、残り一件にあった在庫を全部売ってもらっても五枚しかなかったんです。妹の話だと、あの手の布は、東京のほうがたくさんあるらしいです。
なんか運が悪いのか、そんなに売れ筋商品じゃないものをこちらが欲しているからか、基本、品薄ですね。
by 新選組副長助勤たくいた (2010-08-25 20:48)
>阿吉さん
ご無沙汰しております。お元気ですか?
モリーニョも、長州の阿吉さんも知ってはるんやったら、本当にバレバレですね。アハハ
秘密にして驚かしてやろう! とか、あんまりそんな感じもなかったんで、普通に公表したほうがよかったような気がします。
作ったときは、「なかなかやん♪」と思ったんですが、プロの作品を見た日にゃ~恥ずかしいです。
未熟な腕は、やる気でカバー! と思ったんですが、カバーしきれてないですね。アハハッハハハハ
by 新選組副長助勤たくいた (2010-08-25 20:54)
初めてでこのでき?
手先が器用なんだね~、素晴らしい!!
こんな剪紙は中華人だってなかなかできないよぉ
by 阿銀 (2010-08-25 21:38)
>阿銀さん
え!? 本当ですか? ありがとうございます。
でも、あの中国風な絵柄っていうのが、なかなか思い浮かばないし、書けないですよ。
今度は、もっと時間をかけて、もっといいものができたらな~と思います。
by 新選組副長助勤たくいた (2010-08-26 19:34)
あ、そうそう。
「天然」という件で、1つ知らせたい事が。
「白姥がくれた額じゃなくて、たくいたが作った額」
という事を全く読んでなかったか聞いてなかった私。
あの会場でも額見て「一昨年の額ってこんなんやったんや~」
と普通に思ってました!(爆)
後でたくいたに制作秘話を聞いて「へ?何のこと?」と
一瞬訳のわからなかった私です…(汗)。
後でじわじわ事情が飲み込めて、
「たくいた凄いなぁ!あんな立派なモン作ったんや!」と
感心したしだいです。 テヘッ♪
by どぅいちゃん (2010-08-26 21:33)
>どぅいちゃん
やっぱり「天然」でしたか。
僕が”シャレのわかる”関西人でよかったです。「ネタ」ゲット~! とばかりに記事にして遊べるんで。
並の関東人だったら「気分ワリ~!」とブチ切れてますよ。
これで、次回、「華燭の典」があるときは、簡単な調達なら三田・奉孝ペアが調達してくれはるんで、荷物軽い目で助かります。やっぱり京都からは遠いですからね。アハハ
by 新選組副長助勤たくいた (2010-08-28 16:37)
こんばんは。21日はありがとうございました。
いや~~~~~手作りしてくださっていたとは…感激です(><)ありがとうございました!!
by 奉考 (2010-08-29 19:43)
>奉孝ちゃん
喜んでもらえてよかったです。
頑張って作った甲斐がありました。
by 新選組副長助勤たくいた (2010-08-30 17:03)