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横浜・二日目 [森鵰剣侠]

 後で分かったんだけど、たくいたが横浜でマジ怒られした日、高校時代の同級生は三重でマジ怒られしたらしい。

 でも、友人は言う、

 「夏はまだまだ長いねんから、もう一回くらい羽目外さなアカンで!」

 タフやな。僕にはそんなタフさはありません。

 そんな新選組副長助勤たくいたのブログへようこそ。



 翌朝、モリーニョとマンボちゃんと中華街で合流。

 昨日飲みすぎたせいか、頭が痛い。胸も悪い。完全な二日酔い。横浜に来る前は、二日目は鎌倉にでも行こうと思ってたんですが、この二日酔いじゃ無理。

 そして、モリーニョ。全所持金が8000円くらいしかありません。帰りのバスのチケットは未だ買ってません。コンビニで買おうとしたら、昼ごはんもジュースも買えないことが判明。大体、夜行バスは22時くらいに出発ですから、普通に大変ですね。

 でも、たくいた、モリーニョに奢る気無し!

 モリーニョに奢る金なんて、正直、死に金と一緒ですから仕方ありません。

 「僕が出してもいいですよ」

 優しいこと言ってくれるのは、モリーニョの義弟のマンボちゃん。絶対、モリーニョとマンボちゃんは、前世で夫婦やと思う。

 とりあえず、金券ショップで高速バスのチケットを買えば、もうちょっと安いチケットが見つかるかもしれません。

 中華街近くの金券ショップに電話を入れていくたくいた。

 横浜駅周辺から攻めるマンボちゃん。

 すると、ようやく横浜駅近くの金券ショップで見つかったので、三人で横浜駅に向かう。話を聞くと、朝、モリーニョは、バス乗り場に行ったらチケットを買えると思い、横浜駅に行っていたらしい。

 金も無いのに、アホです。金無いねんやったら、頭使って、骨身を惜しむな! ちゃんと調べてから横浜に来やがれい!


 道すがら、昨夜のたくいたの悪行三昧の報告を受ける。

 ひとつひとつ報告を受ける度に、凹む。

 「え? マジか? そんなこと言ってたか。うん、それは怒られても仕方ないね!」と、ひとつひとつの悪行にコメントするたくいた。

 「え? 本当に記憶ないんですか? たくいたさん」と驚くマンボちゃん。

 「え? 本当に覚えてないな、っていうか、岡崎先生と談笑してたところは覚えてるけど、そっからどぅいちゃんのプライベートトークまでの記憶が完全に無い」

 記憶が無いことより、”そんなこと言っちゃったの?” ていうことを言っちゃってる自分に驚きです。激しく自己嫌悪です。

 せめてもの救いは、セクハラと暴力が無かったことかな。


 ツイッターに、「舌噛んで死にたい」とつぶやくと、師匠から、「じゃ、死ね!」と返信が。

 「師匠、怒ってはるで~!」

 「怒ってはるね~」とモリーニョ。

 「で、そんなたくいたが暴走してたとき、モリーニョ、君は何してたん?」

 たくいたの突然の問いに、驚くモリーニョ。

 「え? 隊長が記憶に残らんくらいの酔い方してはったんで、後で隊長に報告しなアカンと思って、一語一句忘れんように、記憶することに専念してました」

 ドヤ顔で答えるモリーニョ。

 「止めようとは、せんかったん?」

 「はい、記憶することに専念してましたから!」

 「そんなとこで司馬遷になろうとせんでええから、止めろや! 『たくいた列伝』でも書いて、寸評が、やっぱりアホですって書く気やろ!」

 「いえ、列伝のほうでなく、本紀のほうです。王ですから」

 (こいつ、俺を”アホの王”やと思ってるな! くっそ~! くっそ~!と思うが反論できぬ……)

 後に、京都でこの日のことをネタにすると、酔って暴走するたくいたより、隣にいて止めようとしなかったモリーニョのことを 「ひどい!」 「本当に友達なん?」 「男気って彼には無いですよね!」 という反応が多く、意外と驚いた。地元では、たくいたよりモリーニョのほうが評判を落としてしまいました。世の中分からないものです。

 そう思うと、最悪な二人です。

 その日から、二日間、お詫び行脚です。

 でも、中には優しいお声をかけて下さる方もおられて、たくいた、感激です。

 次回は、モリーニョがやってくれると思ったんですが、先日、奈良でやってしまいよったんで不安です。


          

 
 
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