満開!仁和寺・御室桜 4月13日 [京の四季]
モリー。
この桜を見ると、また、あの頃を思い出したよ。
あのときの桜みたいに青かった俺達を……。
~ ユリー・フランキー著 『京都タワー』より~
仁和寺に到着。
保元・平治の乱では、崇徳院が逃げ込んだり、後白河法皇が女装して、この寺に脱走したり、そんな平安末期に思いを馳せながら門をくぐる。
門から境内を見渡すと、人・人・人。
気付くと紫雨御前がいない。見ると、近くで咲いていた桜を撮影している。
「そこの桜はいいから、あっちに行くゼィ!」
そう指差すと、御室桜を目指す。
「鬼平や~!」
たくいたが叫ぶと、大勢の観光客の人目も憚らず、ジブシーキングスの『インスピレーション』をハミングする。多分、この大勢の半分の人間の頭の中では、この曲がBGMとして流れているに違いない。そして、この中の中国人観光客の1%くらいは、
「桃花島~!」
と、心の中で叫んでいるに違いない!
二年前の春。病床のモリーを連れて、ここを訪れたときは、
こんな感じで、見事な”葉桜”やったのに……。
あの時は、殺意を覚えながらも、仕方ないから、醍醐寺の五重塔で、なんちゃって『鬼平犯科帳』やったのに……。
桜って、観ると、なんか元気になるね。
桜も散り始めていて、桜吹雪の中を歩くたくいたと紫雨御前。
仁和寺を出る頃、すっかり気分は長谷川平蔵と久栄であった。
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